缶のまわりのこと
お菓子のミカタの菓子缶をご使用いただいている洋菓子店さまの声や
缶にまつわるあれこれをご紹介します。

>お客様の声2025-08-07
しまふうみ(新潟/佐渡)
佐渡島の豊かな自然で営むベーカリー&カフェ
新潟県の佐渡島は、日本海に浮かぶ新潟県最大の離島であり、国内でも有数の大きさを誇ります。
美しい海や山に囲まれた自然豊かな土地で、歴史・文化・グルメと、さまざまな魅力が詰まった島です。
佐渡島にお店を構える しまふうみ の松柴さんにインタビューをさせていただきました。
◆島に根差した事業の始まり
清水社長(以下 し):お店を始めた経緯を教えてください。
松柴さん(以下 松):離島ということもあり、人や物の行き来が限られている地域だったので「こういうのがあったらいいな」と思えるものを、雑貨屋や携帯ショップ、飲食、宿泊など、手の届く範囲で少しずつ事業として展開してきました。元々祖父が二輪自動車専門で創業しまして、私は3代目なんですけど、観光部門というか飲食や宿泊、クッキーの製造だったり外貨を獲得できるような部門を注力してやっています。20代の時に体調を崩して手術したことがあって、リハビリ期間が何年かあったんですが、その時に独学でパン作りを始めました。ベーグルは水分量が少なく生地が硬いので、ちょうどいい運動になるんですよ。笑 カフェを始めたきっかけは人が集まる場所が島内に少なかったので、それを作りたかったからです。
し:お菓子のミカタ缶を使ったきっかけは何だったんですか?
松:佐渡ジオパークをもうちょっと広く知ってもらえるきっかけはないだろうか、という相談を受けまして。それでうちの妻にも話をしたところ「これ面白いんじゃない?素敵な缶があるよ」と見つけてくれたのがきっかけでした。佐渡の形のクッキーや、人面岩(地元のジオスポット)のクッキーを詰めてみようかという流れで始めたところ、あれよあれよという間にオリジナル缶まで作ることに。笑
はじめに使った缶はアドベンチャー缶で、イラストの島が佐渡島の形に似てるということでベストマッチでした。イベントに出展することで、お菓子は自然と島の外へ広がっていくんですが、島の魅力を伝えていくためのきっかけとして、お菓子缶がひとつの手段になっていると感じています。ちょっと大きい表現かもしれないですけど、地方を知ってもらう突破口になる可能性を感じます。そういった取り組みが全国で1つでも2つでも増えていけば、すごく面白いと思っています。
※ジオパーク・・・地球(Geo)と公園(Park)を組み合わせた言葉で、地質・地形・自然・文化・歴史などを活かしながら、その地域の魅力を守り、伝え、活かすためのエリア。
し:お菓子という小さく広がっていく存在から、ふっと佐渡島とのつながりを感じて、佐渡に興味をもってもらえるような流れがもっと作れそうな感じですよね! 朱鷺(トキ)の缶は東京・西荻窪で開催したポップアップでも販売させていただきましたが、朱鷺(トキ)好きの方が購入されたり、佐渡と朱鷺(トキ)の関係をご存知の方もいました。出展した商品をきっかけに、何かしらでまた戻ってくるようなつながりが生まれていたらすごいことですよね。実際にそういったことを体感されたことはありますか?
松:ありますね。お店に来てくださったお客さんが本土でクッキー缶を買ってくれていて「このお店でしょう?」みたいな感じで来てくれることもあって。そういう時は本当に嬉しいです。もともと東京と新潟は、歴史的にもつながりがある地域で、新潟から東京へ移られる方も多いです。なので、ゆかりがある方は今でも多くいらっしゃると思いますし、最近佐渡に来てくださってここを好きになったという声も聞けた時もとても嬉しいですね。
◆佐渡島の未来を作る仕事を
し:そう考えると、地方創生という意味でも今のうちにこういう活動をしておかないと、ゆかりがある方々が高齢化して切れてしまうかもしれませんよね。実際にやっているのはお菓子作りですが、松柴さんが目指しているのは「お菓子をきっかけに自分たちの島を知ってもらうこと」なんですよね。しまふうみさんとしての課題はありますか?
松:そうですね。島という環境もあって、いろんな分野で知見を共有する機会がないというか、誰にも聞けない状況で手探りで進んでるような感じです。手が届く範囲で今できることはやっているんですけど、今後さらに食品製造業で企画展開を進めていくために、県とか市の担当の方の紹介が得られないかを今進めているところです。動けるうちはできるだけチャレンジしていきたいですね。
し:展開としては今後いろんな選択肢があると思うんですけど、次の取り組みとしてはどういうことをしていきたいですか?
松:やりたいことは2つあります。1つは佐渡島をもっと広く、日本や世界に向けて発信していくこと。もう1つは佐渡島で企画開発費を生み出せるような事業モデルをつくっていくことです。地方でもデザインやアートのような分野の仕事に取り組めるということを、次の世代に伝えたいんです。佐渡島の人口46,000人のうち、若い層は逆ピラミッドの現状です。今までは佐渡で生まれ育った子どもたちは、そうした分野をはじめから選択肢として持たない風潮があったように感じるので、そこを変えていきたいです。
お忙しい中、取材のご協力ありがとうございました。
しまふうみさんの取り組みは、地方の価値を広めて、未来へとつなげていく新しい地方創生のかたち。
お菓子缶は、そんな想いを届ける手段のひとつとしてこれからも多くの出会いを生みつづけます。
今回お話をお伺いしたのは...
PROFILE
しまふうみ
- ADDRESS
- 〒952-0431 新潟県佐渡市大小105−4
- TEL
- 0259-55-4545
- OPEN
- 9:30〜16:00(定休・火水)
- WEB
- https://www.primosado.jp/shimafumi/