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缶のまわりのこと

お菓子のミカタの菓子缶をご使用いただいている洋菓子店さまの声や
缶にまつわるあれこれをご紹介します。

>お客様の声2026-09-24

chez Elisa Nathan(北海道)

「生きている限り、お菓子を作っていたい」

chez Elisa Nathan・岩佐さんに聞く、お店をリニューアルした理由とこれから

北海道でお菓子を作り続ける、個人経営のお菓子屋さん「chez Elisa Nathan(シェ・エリザ・ナタン)」。

岩佐さんは、短大時代にお菓子屋さんでアルバイトを始め、そのまま就職。退職した後、大手のお菓子屋さんで約10年間働きました。

30歳頃にはフランスへ渡り、製菓学校で学びます。その際のホームステイ先で出会ったのが、現在のお店の名前にもなっている「エリザさん」でした。

今回は、リニューアルによって変わったことや、お客さまとの距離、オリジナル缶への思い、そしてこれからのお店についてお話を伺いました。

 

 

 

「作り手でいたい」から、自分の目が届くお店へ

――お店をリニューアルされて、以前のお店とはどのような変化がありましたか?

岩:前のお店では、ありがたいことに忙しくさせてもらっていたんですが、人気商品をひたすら作るだけになってしまっていて、他のいろんなことが見えなくなっていたんです。

今の新しいお店では、お客さまの顔を見ながら販売することができるようになりましたし、しっかりお菓子作りに向き合えるようになりました。

今はカフェも7席なので、いい意味でゆっくりできていますね。厨房からもお客さまの姿が見えるようになりました

 

――お客さまの層にも変化はありましたか?

岩:駐車場ができたので、ケーキなどを持ち帰っていただきやすくなったと思います。

住宅街なので、新しく近所の方が来てくださるようにもなりました。気軽にコーヒーをテイクアウトしてくださる方もいます。

以前は遠方から来られる方や、ネットショップを通じてのお客さまとのやり取りが多かったので、お客さまのお顔が見えないことも多かったんです。

今は直接お客さまの声を聞けることがありがたいですね。物理的にも、距離が近くなったことをすごく感じます。

 

――お客さまとの距離感や、お店の規模感がちょうどいい形に「リサイズ」されたように感じます。

岩:私は作り手でいたいので、自分の目の届く範囲でできることが、結果的にしっくりきています。

「やってみてダメだったらやめる。いけそうなら続けてみる」ということも、前より安定してできるようになりました。

以前は、自分のキャパシティ以上の仕事を引き受けてしまって、自分がやりたい作業が進まない、というもどかしさもありましたね。

――自分の想像以上に仕事が入ってくると、「やりたい」よりも「やらなければいけない」が大きくなってしまいますよね。

岩:あのままやっていたら、確かに体を壊していたかもしれないですね。

今は悩みながら、試しながら、スローペースでやっています。でも、質を落としているわけではないので、これでいいのかなと思っています。

人生も限られているので、できるときに、自分が作りたいものを作りたいなと。

基本的に、自分の作ったものにあまり自信がないんです。でも友人に話すと、「普通の人はそこまでこだわれないんだから、自信を持って」と言われるんですよね(笑)。

だから、これからも少しずつ自信を持てるようにやっていきたいですね。

 

 

 

「缶」から始まる、お菓子との出会い

――オリジナル缶についてはいかがですか?

岩:缶目当てで来てくださるお客さまは多いです。でも、そこから中身のお菓子を気に入ってくださるのも嬉しいですね。

オリジナルの缶があるということには、やっぱり重みを感じています。

だから、オリジナル缶には今、自分が注力しているものを入れるようにしています。

ラベンダー缶は、北海道ではラベンダーが有名ということもあって、お土産として買っていただくこともあります。

――オリジナル缶ができたのも、ちょうどいいタイミングだったのかもしれませんね。

岩:いやぁ、本当に人生は「縁とタイミング」ですよね(笑)。最近はこれからの生き方について考えることもあります。

以前は、やらなければいけない仕事に忙殺されていたので、一度立ち止まることは必要だったんだと思います。

そして、年齢的にも、お店の「終え方」も考えながら続けていかないといけないなと思っています。

 

 

 

地域の人が集まる「拠り所」に

――今後のお店の課題や、やってみたいことはありますか?

岩:住宅地なので、年配の方や近所の方の拠り所になればいいなと思っています。

――それなら、趣味をきっかけにしたワークショップなども面白そうですね。編み物やアクセサリー作り、本の朗読会、押し花、音楽会など……。

岩:確かに、以前にキャンドル作りのワークショップをしてもらったことがあります。

そのときは、ワークショップに合わせて限定のお菓子を作って、みなさんにふるまったりしました。

この規模だからこそできるワークショップは、やってみたいですね。友達にもそういうことをしている人たちがいるので、ちょっと声をかけてみようかな。

違う分野の方とも接点が持てると、お店を知ってもらうきっかけにもなりますよね。

作ったものを持って帰ってもらえたら、家に帰ってからもお店のことを思い出してもらえますし。

 

 

 

「規模は小さくしても、死ぬまでお菓子を作りたい」

――お菓子作りは、これからもずっと続けていきたいですか?

岩:そうですね。規模は小さくして、死ぬまで続けたいと思っています。

極端な話、一種類だけ作って提供するのでもいいんです。ペースが落ちても、作ってはいたい。

生きている限りは、お菓子を作っていたいですね。

実は25歳くらいのときに、「違う職種に転向するなら今しかない」と思っていたことがあるんです。

「今なら変えても、まだ引き返せるだろう」と。

でも、悩みに悩んで、お菓子屋さんを続けるという選択をしました。

だから、これからもきっと、その中で悩みながらやっていくんだろうなと思います。

 

 

 

まとめ

お菓子作りを続けるという選択

これまでの道のりの中で、何度も「このままでいいのか」と悩みながら、それでもお菓子を作ることを選び続けてきた、岩佐さん。

そして、彼女の明るく優しい人柄が手作りのお菓子やお店の雰囲気から伝わってきました。

自分の目が届く場所で、お客さまの顔を見ながら、一つひとつのお菓子に向き合う。

「生きている限り、お菓子を作っていたい」という言葉からは、規模や売上だけでは測れない、作り手としての強い思いが伝わってきます。

ゆっくりと、けれど確実に。

chez Elisa Nathanは、これからもお菓子とともに歩み続けていきます。

 

今回お話をお伺いしたのは...

PROFILE

chez Elisa Nathan

ADDRESS
〒064-0806 北海道札幌市中央区南6条西21丁目1-19
OPEN
10:00-18:00(定休:水)
WEB
https://elisanathan.official.ec